レーズン、アーモンド、シナモンをのせたモロッコの羊肉煮込みムルーズィーヤ
🔪下準備40分
🔥調理2時間20分
🌍料理モロッコ料理

ムルーズィーヤの作り方|フェズの蜂蜜羊肉煮込み

19分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

調理工程スライド
STEP 11 / 6

肉に香りをまとわせる

手順1: 肉に香りをまとわせる

漬け込みは30分から12時間、手を動かす時間は15分です。

サフランを50〜60℃の湯大さじ1に入れて5分置き、ラ・ス・エル・ハヌート、しょうが、にんにく、塩、こしょう、オリーブオイルと混ぜます。

ラムを3〜4cm角に切り、表面へペーストを薄く均一に塗ります。

30分なら室温に置かず冷蔵庫へ入れ、前夜仕込みなら密閉して6〜12時間冷やします。

STEP 22 / 6

肉と玉ねぎを鍋へ重ねる

所要時間12分

手順2: 肉と玉ねぎを鍋へ重ねる

厚手鍋にオリーブオイルを中火で温め、ラムを重ならないように並べて片面2分ずつ焼きます。

鍋が小さければ2回に分け、表面に薄い焼き色が付くところで止めます。

玉ねぎを加えて6〜8分炒め、角が透き通り、鍋底の色が薄い茶色になったら、水またはストック600mlとシナモンを加えます。

STEP 33 / 6

弱い煮立ちで肉をほどく

所要時間90〜110分

手順3: 弱い煮立ちで肉をほどく

強火で一度だけ沸かしたら、ふたをして弱火へ落とします。

3〜4cm角に切った肉の周りに、鍋の縁から小さな泡が途切れず出る程度を保ち、30分ごとに底を木べらでそっとなぞります。

煮汁が肉の3分の1を下回ったら熱湯を100mlずつ足し、竹串が一番大きな肉の中心へ抵抗なく入るまで煮ます。

泡が大きく、肉が鍋の中で踊るようなら火が強すぎます。

STEP 44 / 6

レーズンとはちみつを後から入れる

所要時間25分

手順4: レーズンとはちみつを後から入れる

レーズンを熱湯に5分浸して水気を切り、肉が竹串でほどける状態になってから鍋へ加えます。

はちみつ大さじ2を入れ、ふたを少しずらして弱めの中火で20〜25分煮ます。

レーズンが丸くふくらみ、鍋を傾けた時にソースがゆっくり戻り、底の木べら跡が1秒残れば十分です。

水っぽいまま甘味を足すと、肉より先にソースだけが重くなります。

STEP 55 / 6

アーモンドを香ばしくする

所要時間5分

手順5: アーモンドを香ばしくする

別の乾いたフライパンにアーモンドを入れ、弱火で3〜4分転がします。

表面が薄いきつね色になり、ナッツの香りが立ったら皿へ移します。

鍋のソースがゆるければ肉を一度取り出し、中火で2〜3分だけ詰めてから戻します。

黒くなるまで炒ると、はちみつとスパイスの香りが負けます。

STEP 66 / 6

パンを添えて盛り付ける

所要時間3分

手順6: パンを添えて盛り付ける

火を止めて5分置き、肉を浅い器の中央へ重ならないように盛り、レーズンを周りへ置きます。

ソースを上から回しかけ、アーモンドを肉の上へ散らしてください。

現地の食べ方へ寄せるなら、塩気の強くないパンでソースをすくいます。

クスクスを添える場合は、主食側の塩を控えめにすると甘いソースが重くなりません。

鍋底がべたつき、ソースが肉へ厚く張り付くなら、肉を皿へよけます。

熱湯を大さじ2ずつ加えて弱火でのばし、木べらの跡がすぐ消える程度へ戻してから肉を戻します。

冷水を一気に入れると脂が分かれやすく、ソースの温度も下がるので使いません。

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Ingredients

材料を分けて見る

材料スライド
14品目

買い出しの前に

下の分量は4人分です。 モロッコの家庭料理には一つの固定配合があるわけではなく、レーズンの甘さ、肉の部位、スパイスの強さで仕上がりが変わります。 この配合は、ラムの旨みを先に出し、はちみつを控えめに重ねる日本の家庭向けです。

材料 分量 代替・備考
ラムショルダー角切り 600g 3〜4cm角。骨付き肩肉なら800gにして、煮込みを20〜30分延ばす
玉ねぎ 200g 1cm幅。水分の多い新玉ねぎは、透き通るまで2〜3分長く炒める
にんにく 2片 みじん切り。すりおろすと鍋底へ張り付きやすい
ラ・ス・エル・ハヌート 小さじ2 下の代替ミックスでもよい。商品ごとに配合と辛さが異なる
しょうがパウダー 小さじ1 生しょうがなら15g。香りが明るくなる
サフラン 0.1g 50〜60℃の湯で戻す。省いても作れるが、香りの奥行きは弱くなる
シナモンスティック 1本 粉末なら小さじ1/3。仕上げ前に取り出す
オリーブオイル 大さじ1 香りの弱い植物油でもよい
水またはラムストック 600ml 肉が半分から3分の2ほど浸かる量。減ったら熱湯を足す
レーズン 90g 大粒なら半分に切る。甘すぎない黒レーズンが使いやすい
はちみつ 大さじ2 甘く仕上げたい時だけ、最後に大さじ1を追加する
アーモンド(無塩、湯むき) 40g くるみでもよいが、渋みと香りが変わる
小さじ1 商品に塩が入るスパイスミックスなら、まず小さじ3/4にする
黒こしょう 小さじ1/2 粗挽き。辛さを下げる時も省かない

小麦と乳製品は使いません。 アーモンドを使うため、ナッツアレルギーがある場合は飾りを省いてください。 市販のスパイスミックスには、商品によってごま、ナッツ、セロリ、唐辛子などが含まれることがあります。 購入前に原材料表示を確認します。

スパイスを自作するなら、香りの順番を残す

ラ・ス・エル・ハヌートがない場合は、クミン小さじ1、コリアンダー小さじ1、シナモン小さじ1/2、黒こしょう小さじ1/4、パプリカ小さじ1/2を混ぜます。 市販品と同じ味にはなりませんが、土っぽい香り、甘い香り、後から来る辛香の順番を作れます。 クミンだけを増やすと、ムルーズィーヤよりカレーの方向へ寄るので、シナモンを少量残してください。

材料

香りのスパイスを一瓶にするか

掲載しているのは、北アフリカ風ミックススパイス50gです。 販売ページの原材料は、コリアンダー、キャラウェイ、唐辛子、にんにく、シナモン、クローブで、内容量は50gと記載されています。 これはモロッコ全土で共通する配合ではありません。 チュニジアやアルジェリアの料理にも使える北アフリカ風のミックスとして、ラ・ス・エル・ハヌートの香りを一瓶で試すための商品です。

買うのは、ムルーズィーヤの後にタジン、クスクス、かぼちゃやにんじんのソテーへ使う人です。 キャラウェイや唐辛子が苦手な人、一度しか作らない人は、上の自作ミックスで見送れます。 リンク先では、内容量50gと原材料に唐辛子が含まれるかを確認してください。 価格と在庫は変わるため、購入時は販売ページの表示を確認してください。

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材料表の分量4人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

📊 栄養情報(1人分)
160
kcal
9.0g
タンパク質
8.0g
脂質
11.5g
炭水化物
0.8g
食物繊維
155mg
ナトリウム
※ 目安値です。材料や調理法により変動します。

蜂蜜は最後に入れる。フェズの祝い鍋を日本の鍋へ

鍋のふたを少し持ち上げると、シナモンの甘い香りの奥から、羊の脂と玉ねぎの深い匂いが立ちます。

ムルーズィーヤ(Mrouzia、المروزية)は、羊肉をスパイスと果実で煮るモロッコ料理です。 レーズンとはちみつが入るため、最初から甘い鍋を想像しやすい料理ですが、口に入れた時に先に来るのは羊の旨みとしょうがの辛香です。 甘味は、肉がほどけたあとに鍋へ重ねます。

フェズの公式観光資料は、ムルーズィーヤをフェズの料理として、犠牲祭にあたるイード・アル=アドハーの料理として紹介しています。 モロッコ政府観光局も、ムルーズィーヤを国を代表する料理の一つに挙げ、地域ごとに異なる食文化と、ベルベル、アラブ・アンダルシア、ユダヤの伝統が重なった料理の背景を説明しています。 フェズの食文化資料モロッコ政府観光局の食文化案内を読むと、この鍋を単なる甘い肉料理として扱いにくくなります。

現地のレシピには、肩、首、すねなど骨付きの部位を使うものがあります。 日本では、骨付き肉を大きな鍋で扱うより、ラムショルダーを3〜4cm角に切る方が作りやすいでしょう。 骨を外した分だけ水分の減りを見ながら煮、最後にソースを詰めれば、祝祭の香りを家庭の鍋へ移せます。

先に味の方向を決める

ムルーズィーヤに向くのは、羊の香りと、肉料理に果物を合わせる味を楽しめる人です。 レーズンの甘さが気になる場合は、酸味のあるものを選び、はちみつを最初から大さじ3入れず、まず大さじ2で止めます。

ラ・ス・エル・ハヌートは、今後もタジンや野菜料理へ回すなら買う価値があります。 一度だけ試すなら、クミンとコリアンダーを軸にした手持ちの代替ミックスで作っても、料理の輪郭は残ります。 モロッコのタジンザアルークも作る予定があるかどうかで、買い物の答えは変わります。

表記について

日本では「ムルーズィーヤ」「ムルージア」など表記が揺れます。 この記事では、フェズの観光資料や現地料理資料に合わせて「ムルーズィーヤ」と書きます。

鍋の中で迷った時に見るところ

強い沸騰を続けない

肉を柔らかくするのは、泡の大きさではなく時間です。 強く煮立てると水分が急に減り、肉の表面だけが締まって鍋底も焦げやすくなります。 ふたをした弱火で小さな泡を保ち、減った水分だけ熱湯で戻してください。

63℃は柔らかさの合図ではない

FoodSafety.govは、ラムのステーキやローストなどの塊肉を63℃まで加熱し、3分休ませることを安全な最低基準として示しています。 ただし、ムルーズィーヤのような煮込みでは、63℃になったことと、肩肉の筋繊維がほどけたことは別です。 安全の確認には温度基準を使い、食べ頃の判断には竹串の入り方と煮汁の濃さを使います。

甘味は大さじで一度に増やさない

レーズンの品種と乾き具合で、鍋の甘さは変わります。 はちみつは大さじ2から始め、火を止める前に味を見て、必要なら大さじ1を足してください。 最初から最大量にすると、甘味を戻す方法が少なくなります。

日本の台所で残す香り、変えるところ

日本で作る時に迷うのは、代替が許される範囲です。 全部を同じ材料へそろえるより、料理の中心を残し、香りや食感が変わる部分を先に知っておく方が作りやすくなります。

迷うところ 本場寄せ 日本の台所での選択
骨付きの肩、首、すねなど ラムショルダー角切り600g。骨付きなら800gに増やす
スパイス ラ・ス・エル・ハヌートとしょうが、シナモン、サフラン ミックスを一瓶買うか、クミンとコリアンダーで代替
甘味 レーズンとはちみつ レーズン90g、はちみつ大さじ2から調整
飾り 湯むきアーモンド 無塩アーモンドを乾煎り。ナッツが食べられなければ省く
主食 パンで煮汁をすくう パン、無塩クスクス、硬めの白米から選ぶ

骨付き肉に替える時

フェズ料理学校のレシピやモロッコの料理資料では、肩、首、すねなど骨付きのラムが使われています。 骨付きに替えるなら、肉600gをそのまま置き換えず、骨を含めて800gにします。 煮汁は最初から増やさず、肉の半分から3分の2が浸かる状態を保ち、竹串が入るまで20〜30分長く煮てください。

サフランを省く時

サフランは少量でも香りを作りますが、なくても料理は成立します。 ターメリック小さじ1/4を入れれば色は近づきますが、花のような香りは戻りません。 黄色だけを足したいのか、香りまで寄せたいのかで選びます。

甘さを控える時

はちみつを大さじ1にし、レーズンを60gへ減らすと、羊の香りが前に出ます。 その場合も、シナモンとしょうがを減らす必要はありません。 甘味が少ない分、スパイスの層を残した方が、煮込みがただの塩味の肉になりにくいからです。

フェズの祝祭料理に残る、肉を使い切る知恵

モロッコ政府観光局は、ムルーズィーヤをタジンやクスクスと並ぶ代表的な料理として紹介しています。 同じ案内は、モロッコ料理を一つの国の均一な味ではなく、地域ごとの文化と複数の伝統が重なったものとして説明しています。 ムルーズィーヤを「モロッコの甘い羊肉」とだけ覚えると、フェズの料理としての位置が抜け落ちます。

フェズの観光資料にある「Fassi cuisine」の紹介では、ムルーズィーヤはイード・アル=アドハーの食卓に置かれる料理です。 犠牲祭で扱う羊の部位は一度の食事で消費するとは限りません。 Yabiladiの食文化記事は、肩、首、すね、あばら、ももなど複数の部位を挙げ、肉がほぼ柔らかくなってからレーズンとはちみつを入れる手順を紹介しています。

食べる時期にも地域差があります。 同記事によれば、ある地域ではイードの最初の二日間に、別の地域では七日間の祝いを締めくくる頃にムルーズィーヤを食べます。 ラバトでは、同じような甘じょっぱい料理が「ムアッサル」と呼ばれることもあるとされます。 呼び名や食べる日が一つに決まっていないからこそ、家庭の鍋には部位や果実の違いが残ります。

フェズの料理学校は、昔のムルーズィーヤについて、残った骨や肉を長時間煮て使い切った料理だと説明しています。 水分を飛ばして油で覆う保存法や、粘土の容器へ入れる話も紹介されていますが、これは冷蔵庫がなかった時代の食文化の説明です。 現代の家庭で同じ方法を再現して常温保存するものではありません。

日本の台所で守るなら、羊、スパイス、レーズン、はちみつを一つの鍋へ入れることより、肉を先にほどき、甘味を後から濃くする順番です。 パンでソースをすくう現地の食卓をそのまま再現できなくても、主食の塩気を控え、酸味のあるサラダを添えれば、甘い煮込みを最後まで食べやすくなります。 モロッコ料理の一覧から次の一皿を選ぶなら、豆とトマトのハリラを合わせると、羊肉の濃さが続きません。

残った鍋を次の食事へ回す

1. パンの朝食にする

翌日に温め直す時は、鍋へ水大さじ2を加えて弱火にします。 ソースがゆるくなったら、ふたを外して1〜2分だけ戻します。 パンを小さくちぎってソースをすくえば、肉を大きく切り直さなくても味を楽しめます。

2. クスクスへ添える

クスクスを添える日は、クスクス側の塩を控えめにします。 ムルーズィーヤのソースが濃いため、主食へ味を足しすぎると、レーズンの甘味より塩気が前へ出ます。

3. 甘味をさらに下げる

作った後に甘く感じた場合、鍋へ酸味を大量に足して直すより、無塩のクスクスや温野菜を添えて一口あたりのソース量を減らします。 次回は、はちみつを大さじ1から始め、レーズンも60gへ減らせます。

4. 牛すね肉で作る

フェズの料理学校は、ラムの代わりに牛や山羊を使う方法にも触れています。 牛すね肉600gなら、水分を見ながらラムより20〜30分長く煮ます。 羊の脂の香りは弱くなるため、ラ・ス・エル・ハヌートを増やすより、シナモンとしょうがの順番を残す方がまとまりやすいです。

5. ナッツを省く

アーモンドは香ばしさと歯触りを足しますが、ムルーズィーヤの中心ではありません。 アレルギーや食卓の都合がある場合は、飾りを省いてレーズンだけで仕上げます。 別のナッツへ替える時も、製品のアレルゲン表示を確認してください。

冷蔵保存は、昔の保存法と切り分ける

フェズ料理学校が紹介する昔の油脂保存は、現代の家庭でそのまま使える保存手順ではありません。 このレシピでは、粗熱が取れたら肉とソースを浅い容器へ移し、アーモンドを別にして冷蔵します。 作った日を含めて2日以内を目安に食べてください。

温め直しは鍋に水大さじ2を足し、弱火で8〜10分です。 中心まで湯気が出る状態に戻し、ソースが焦げそうなら水を小さじずつ足します。 電子レンジだけで温めると、端のソースが先に固まりやすいので、少量ずつ分けて短時間で加熱します。

よくある質問

ムルーズィーヤは、かなり甘い料理ですか?

甘くできますが、最初から菓子のようにする必要はありません。 レーズン90gとはちみつ大さじ2なら、羊の旨みとスパイスを先に感じやすい配合です。 甘い肉料理が初めてなら、はちみつ大さじ1から始め、食卓でソースを少量ずつ絡めます。

ラ・ス・エル・ハヌートは必須ですか?

必須ではありません。 クミン小さじ1、コリアンダー小さじ1、シナモン小さじ1/2、黒こしょう小さじ1/4、パプリカ小さじ1/2で代替できます。 ただし、商品ごとに配合が違うスパイスなので、代替版と市販版が同じ味になるわけではありません。

骨付きのラムでも作れますか?

作れます。 骨を含めて800gを用意し、肉が半分から3分の2ほど浸かる煮汁を保ってください。 竹串がすっと入らなければ、熱湯を少量足して20〜30分延ばします。

常温で保存できる昔の作り方を試してもよいですか?

家庭の保存方法としては勧めません。 昔の保存法は、肉の水分を十分に飛ばして油脂で覆うなど、別の条件で成立していた食文化です。 家庭版は必ず冷蔵し、本文の保存期間を目安に食べ切ってください。

アーモンドなしでも味は崩れませんか?

崩れません。 アーモンドは香ばしさと食感を足す仕上げなので、省いても肉、レーズン、はちみつ、スパイスの味は残ります。 ナッツアレルギーがある場合は、白ごまへ機械的に替えず、まずは飾りを省く方が安全です。

主な参考リンク

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