小さな陶器のカップに入ったタイのカノム・トゥアイ。甘い下層と白い塩味ココナッツの上層
🔪下準備30分
🔥調理30分
🌍料理タイ料理

カノム・トゥアイの作り方|タイの二層蒸し菓子

35分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

調理工程スライド
STEP 11 / 6

器と蒸気を先に熱くする

所要時間8分

手順1: 器と蒸気を先に熱くする

蒸籠または深鍋に水1.5Lを入れ、強火で湯気を安定させます。ふたの内側へ清潔な布巾を巻き、結露が生地へ落ちないようにします。耐熱カップを空のまま並べ、ふたをして5分蒸します。

カップの底へ水を一滴落とし、すぐに細かな音を立てて動けば準備完了です。音がしない、または水滴がそのまま残るなら、まだ温度が足りません。器を冷たいまま使うと、下層が広がる前に底で重くなり、食感に粉っぽさが残ります。

STEP 22 / 6

甘い下層の生地を作る

所要時間12分

手順2: 甘い下層の生地を作る

ボウルへ製菓用米粉70gとタピオカ粉10gを入れ、泡立て器で30秒混ぜます。無糖ココナッツミルク240mlを3回に分けて加え、粉の角をつぶすように10分練ります。パームシュガー100gを加え、粒が残らなくなるまでさらに3分混ぜます。

パンダン水は、葉10gと水60mlを細かく攪拌し、こし器で繊維を除いて40ml取ります。生地へ加えたら、スプーンから細い帯になって落ち、跡が2秒ほどで消える濃さにします。パンダンがなければ水40mlで作れます。最後にこし器を通し、底に沈んだ粉のだまを取ります。

STEP 33 / 6

塩味の上層を作る

所要時間5分

手順3: 塩味の上層を作る

別のボウルへ製菓用米粉24g、タピオカ粉6g、グラニュー糖12g、粗塩3gを入れます。ココナッツミルク160mlを少しずつ加え、泡立て器で5分混ぜます。塩の粒と粉のだまが見えなくなり、白い液がさらりと流れれば十分です。

上層は甘いクリームにしないでください。スプーンの先で味を見ると、塩味が先に立つくらいが目安です。蒸して冷ますとココナッツの脂が丸くなり、下層の甘さと並べたときにちょうどよくなります。泡が多い場合は、表面をスプーンで取り、こし器を一度通します。

STEP 44 / 6

下層を先に蒸す

所要時間10〜12分

手順4: 下層を先に蒸す

下層の生地を底から静かに混ぜ、生地が均一に戻り、底に濃い粉の層が残らない状態を確認します。カップへ1個あたり約20ml、容量の3分の2ほど注ぎます。強火の蒸気で8〜10分蒸します。ふたを開けるときは、布巾の水滴をカップへ落とさないよう、ふたを水平に保って外します。

表面の液体が消え、カップを軽く揺らしても波が広がらず、中央だけがゆっくり揺れる状態が合図です。指先や竹串で触れて液体がつかなければ、すぐに上層を注げます。中心まで固めようとして蒸しすぎると、下層が硬くなり、上層との境目で割れます。

STEP 55 / 6

上層を注ぎ、二度目の蒸気を当てる

所要時間10〜12分

手順5: 上層を注ぎ、二度目の蒸気を当てる

上層の生地を底から一度混ぜ、白い液が均一で表面の泡が少ない状態を確認します。下層の上へ1個あたり約10ml、容量の3分の1ほど注ぎます。高い位置から落とさず、カップの縁に近い高さから細く流します。強火で8〜10分蒸し、上層が乳白色になり、表面に薄い光沢が出たら火を止めます。

ふたを急に外すと、温度差で表面がへこみます。火を止めてふたを2cmだけ開け、1分待ってから全開にします。上層がまだ透明で中心が液体なら、ふたを戻して2分ずつ追加します。逆に、表面が乾いて細かく割れているなら、蒸気が強すぎるか、蒸し時間が長すぎます。

STEP 66 / 6

冷まして、へらですくう

所要時間20分

手順6: 冷まして、へらですくう

蒸し器から出したカップを網の上に並べ、室温で20分冷まします。熱いうちは上層の脂がやわらかく、へらを入れると下層まで引っ張りやすくなります。表面が人肌以下になり、上層が指に付きにくくなったら食べごろです。

タイの小さな器なら、そのまま小さなへらですくいます。代用のカップから外す場合は、側面へ薄いナイフを一周入れ、底をぬるま湯へ数秒当ててから皿へ返します。二層の境目がくっきりし、上層が少し波打っていれば成功です。完全に冷やし固めるより、少し温度が残る方がココナッツの香りが広がります。

蒸籠の大きさ、カップの厚み、火力で時間は変わります。下層は「液体がない、揺れが広がらない、触って付かない」の三つ。上層は「乳白色、中心だけが少し揺れる、表面に薄い光沢」の三つで判断してください。

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Ingredients

材料を分けて見る

材料スライド
材料

材料|耐熱カップ16個、4人分

下層は、米粉だけよりも少し弾むようにタピオカでんぷんを加えます。タイの公式レシピにある伝統的なでんぷんを、日本で探しやすいタピオカ粉へ置き換えた家庭配合です。上層は粉を増やしすぎず、塩気のあるココナッツが薄く広がる濃さにします。

耐熱カップは容量30〜40mlを16個。タイのトゥアイ・タライがなければ、プリン用の小さな耐熱カップや、蒸し器に入る小さな陶器で代用します。器の高さがそろっていると、下層と上層の量もそろえやすくなります。

6品目

下層

材料 分量 役割と選び方
製菓用米粉 70g 生地の骨格。小麦入りのミックス粉は避ける
タピオカ粉 10g やわらかな弾み。タイの伝統的なでんぷんの代替
パームシュガー 100g 焦がし蜜のような香り。きび砂糖でも作れる
無糖ココナッツミルク 240ml 下層の液体。飲料タイプではなく料理用
パンダン水 40ml 香りと淡い緑色。なければ水40ml
パンダンリーフ 10g パンダン水を作る場合のみ。冷凍品でもよい
5品目

上層

材料 分量 役割と選び方
製菓用米粉 24g 上層を薄く固める
タピオカ粉 6g クリームにわずかなまとまりを出す
無糖ココナッツミルク 160ml 濃いタイプを優先する
グラニュー糖 12g 塩味を丸める程度。甘くしすぎない
粗塩 3g 上層の輪郭。細かい塩なら1.5gから調整
5品目

蒸すために用意するもの

道具・材料 目安 確認すること
蒸籠または深鍋と蒸し台 1組 カップを水平に置ける
蒸し器用の水 1.5L 30分蒸しても空だきしない
ふたに巻く布巾 1枚 結露を受ける清潔な薄手の布
細かいこし器 1個 粉のだまとパンダンの繊維を取る
小さなへらまたはティースプーン 1本 器の底を傷つけずにすくう
アレルギーと表示の確認

このレシピはココナッツ、米、タピオカを使い、卵と乳製品は使いません。ただし、粉やココナッツミルクは製造ラインで小麦、乳、落花生、ナッツ類を扱うことがあります。必要な人は、購入時にアレルゲン表示と原材料を確認してください。パンダンエキスへ切り替える場合も、食用であることと添加物の表示を見ます。

ココナッツミルクは400mlを使い切ります。選ぶ条件は、無糖の料理用で、容量が400ml前後、原材料の先頭がココナッツと水を中心にしたものです。すでに同じものがあるなら買い足しません。飲料タイプや加糖タイプでは水分と甘さが変わるので、リンク先で確認する一点は「400ml缶で、商品名がココナッツミルクであること」です。価格や在庫はカードを開いた時点で確かめてください。

材料

タピオカ粉を選ぶなら

下層の粉っぽさを抑え、へらで持ち上げたときに少し戻る弾みを足したい人は、タピオカ粉を買う条件です。一度だけ試す人、片栗粉で食感の差を確かめたい人は見送れます。リンク先では、商品名が「タピオカ粉 250g」であることと、食品用の原材料表示を確認してください。

材料

蒸籠を選ぶなら

蒸し菓子や点心を続けて作る予定があり、カップを水平に置ける内径とふたが必要な人は買う条件です。一度だけなら深鍋と蒸し台で見送れます。リンク先では、24cm前後の内径、二段かどうか、ふたが付くセットかを確認してください。

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材料表の分量4人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

📊 栄養情報(1人分)
108
kcal
1.0g
タンパク質
5.3g
脂質
14.5g
炭水化物
0.3g
食物繊維
118mg
ナトリウム
※ 目安値です。材料や調理法により変動します。
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材料からそろえる、味の決め手

買い出しガイド
ココナッツミルク 400ml
ココナッツミルク 400ml
リサーチ日時:2026-07-21
タピオカ粉 250g
タピオカ粉 250g
リサーチ日時:2026-07-21

小さなカップの上で、甘さと塩気が入れ替わる

蒸し器のふたを少し持ち上げると、白い湯気の奥で、米粒ほどの泡がふっと消えます。小さなカップには、まだ甘い茶色の生地しか入っていない。そこへ白いココナッツの生地を重ねると、同じ菓子の中で味の向きが変わります。

これがタイのカノム・トゥアイ(ขนมถ้วย、khanom thuai)です。下層はパームシュガーの香りを含んだ、やわらかく弾む甘さ。上層は塩をきかせたココナッツのクリーム。ひと口の中に、甘いものを食べているのに最後は塩気で口が軽くなる感じが残ります。

日本の台所で一番つまずきやすいのは、粉の種類よりも「いつ上層を注ぐか」です。下層がまだ波打つうちに注げば二層は混ざり、待ちすぎれば表面が乾いて上層がはがれます。この作り方では、時間だけでなく、表面の色、揺れ、指先に返る弾みで次の一手を決めます。

小さなタイの器がなくても構いません。容量30〜40mlの耐熱カップを16個用意できれば、食卓に置いたときの小ささと、二度蒸しの層は十分に楽しめます。最後に、現地の粉や蒸籠を買うべき人、手持ちの片栗粉と深鍋で見送るべき人も分けます。

小さな陶器のカノム・トゥアイを蒸籠と小さなへらとともに並べた食卓
カノム・トゥアイは小さな器へ注いで蒸す
この記事で先に決めること
  • 味の中心は、甘い下層と塩味の上層の差。上層を甘くしすぎない。
  • 代用品の優先順位は、器より先にココナッツミルクと粉の食感をそろえること。
  • 下層が固まった合図は、表面の液体が消え、カップを揺らしても波が広がらないこと。
  • 一度だけ試すなら、手持ちの耐熱カップと深鍋で作る。二度目が見えたら粉や蒸籠を買い足す。

カノム・トゥアイは、器まで料理の一部

タイ語のカノム(ขนม)は菓子、トゥアイ(ถ้วย)は器を指します。小さな陶器のカップ、トゥアイ・タライに生地を注ぎ、そのまま蒸して、食べるときは小さなへらですくう。名前が皿の形から来ているので、切り分けて大きく見せる菓子とは最初から設計が違います。

タイの政府系米知識データベースが紹介する配合では、下層に米粉、タイの伝統的なでんぷん、パームシュガー、薄いココナッツミルクを使い、上層に濃いココナッツミルク、塩、砂糖、粉を合わせます。器を熱くして下層を蒸し、表面が固まってから上層を流し、さらに蒸す。約30個分の原案を参考に、甘さと食感を家庭向けに調整した16個分へ組み替えました。タイ米知識データベースの原文レシピはタイ語ですが、分量と工程の確認に使えます。

この菓子を「ココナッツプリン」とだけ考えると、上層の塩気が意外に感じられるかもしれません。学術論文では、カノム・トゥアイを小さなタライの器に入れ、甘い下層と塩味のある濃厚な上層を組み合わせる伝統菓子として説明しています。二度蒸しのあと、上層は少し波打ちながら、ココナッツの油分で表面に光沢が出るのが特徴です。Food Technology Journal of Siam Universityの研究論文では、家庭や小規模販売での保存性にも触れています。

海外の料理紹介では、船麺などの食事と同じ場所で食べる小さな甘味として扱われることがあります。ただし、店や家庭によって器、甘さ、粉の組み合わせは変わります。ひとつの起源説へ寄せるより、日々の食卓で「少量を蒸して、すぐ食べる」菓子として見る方が、今回の作り方には合います。Thai Food Onlineの器と味の解説にも、家庭で親しまれる菓子であることと、下層の甘さ、上層の塩気が整理されています。

主な参考リンク

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